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スタジアムでの傷病者対応

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スタジアムで急に目の前の人が倒れたら…。スタジアムの緊急時について考えます。

今回は、スタジアムで傷病者が出た場合の対処について、日産スタジアムを事例に考えていきます。

まずは、スタジアムで誰かを救護したり、誰かが倒れたりしたところに遭遇したことがある人はいますか?皆さんの経験を教えてください。

以前、待機列で倒れてしまった人がいました。休ませれば落ち着きそうだったので、少し離れたところで休んでもらったら回復しました。

私も似たような経験がありますが、待機列で別のグループで倒れた人がいました。離れたところにいたのですが、周りに人がいっぱいいて、みんなが救助している一方で、「私にできる事は何もないな」と思うと、無力感がありました。

なるほど。貧血(※)や熱中症などで倒れる人は日常でもよく見かけると思いますが、「休めば改善する」という状況の場合、まず休ませる事ですね。なので「休ませる」以外はやる事がないという場合もあります。

※ここでいう「貧血」は、立ちくらみなどの一過性の脳虚血のことを指します。

スタジアムに限らず、駅のホームなどでも貧血を起こした人とかに遭遇した時、「何もできない」と思ってしまいます。

そうですね。貧血や軽度の熱中症など、気分が悪くなる人はよくいますが、スタジアムならスタッフ、駅なら駅員や救急隊が既に到着している場合も多いですよね。そういう場合「大変な事になってる」という印象を受けると思いますが、救護義務のあるスタッフや駅員が到着しているので、「自分にできる事は少ない」というのをポジティブに捉えていいと思います。
「自分に手伝える事はあるかな?」「なさそうかな?」というのは、手が足りている場面が多いので、無力感を感じる必要はないと思います。

「休ませるしかない」という場合については、どう考えればいいでしょうか?

通常の気候だったら、通行の邪魔にならない安全な場所に移動できそうなら移動してもらいましょう。
熱中症の場合は、熱い地面に寝かせると悪化してしまう可能性が高いので、涼しい場所に移動してもらいます。
Jリーグの試合の場合、スタジアムに救護室があるので、スタッフに伝えて救護室を使わせてもらいましょう。ただし、急を要する場合は、救急に通報しましょう。

スタッフに伝えれば、救護室で休ませてもらえるんですね!

Jリーグの場合、試合に必ずドクターとナースが常駐するそうですが、ドクターとナースの到着はキックオフの1時間30分ほど前との事なので、開門前にはまだドクターとナースはいません。
ただし、貧血や軽度の熱中症など「休めば治る」というくらいの人は、救護室で休ませる事はできます。
スタジアムでもアナウンスがありますが、「何かあったら近くのスタッフに伝えること」というのが大切です。

Point

  • 傷病者が軽症なら、まずは休ませて観察する。
  • 軽症で、スタッフが既に到着していたり、周りの人たちで手が足りていれば問題ない。「自分には何もできない」と考える必要はない。
  • スタジアムには救護室があるので、休ませる必要がある時はスタッフに伝え、救護室を利用させてもらう。
  • 「休んでも改善しない」「急を要する」などの場合は、救急要請する。